AIが”現場”を変える。酪農DXのFarmnote、音声対話で完結する自律型経営プラットフォーム「Farmnote Cloud Platform V3」を発表

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農業がAIで変わるDay1。「Work with Farmnote AI」をテーマに、持続可能な農業経営に貢献


酪農デジタル・トランスフォーメーション(以下、DX)のリーディングカンパニー、株式会社ファームノート(本社:北海道帯広市、代表取締役:小林 晋也、以下「ファームノート」)は、AIを中心とした革新的な農業経営プラットフォーム「Farmnote Cloud Platform Version 3(以下、V3)」を発表しました。

ファームノートは2013年11月の創業以来、「データの活用がスムーズではない。もっとリアルタイムに経営の意思決定ができなければ、農業は強くならない」という仮説のもと、10年かけて酪農業界における生産性向上の根幹戦略「ハイゲノム・ハイオペレーション」を構築してきました。今回のV3は、この戦略の集大成として、生成AI技術を酪農経営に深く取り込むことを目的として開発されました。

実績に裏打ちされた信頼性

ファームノートは、これまでに確かな実績を積み重ねてきました。クラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」の有償契約頭数は37万頭を突破し、日本の乳用牛の約10%を管理。牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」は総出荷台数18万台を達成し、2020年にはものづくり日本大賞 内閣総理大臣賞を受賞。ゲノム検査サービス「Farmnote Gene」は日本シェア50%に到達し、実績ナンバーワンを2年連続で実現しています。

さらに、ファームノートが運営する牧場事業「Farmnote Dairy Platform」では、「所有と運営の分離」という新しい酪農モデルを確立。運営受託牧場において、生産量1.3倍、売上1.5倍、利益額の大幅改善を実現しています。これらの実績は、新プラットフォームへの信頼の証であり、自社牧場での実証実験を経て、満を持して投入するものです。

Farmnote Cloud Platform V3のコンセプト

V3は「Work with Farmnote AI」をテーマに、生成AI技術を酪農経営に深く取り込むことを目的として開発されました。ファームノートのAI戦略の柱は以下の3点です。

  1. 人とAIがシームレスに牧場の経営に溶け込むこと。 AIを意識しなくても、自然とAIが牧場に溶け込み、生産性を底上げする。
  2. 働く人にとって実用的で信頼でき、深く役立つ存在であること。 「AIだからハードルが高い」ではなく、「AIはとても役立つものだ」と働く人に思ってもらえる存在。
  3. 経営をより良くし、酪農畜産を強くすること。 「AIを働く人のために」という発想に基づく、全く新しい技術の提供。

Farmnote AIとプラットフォームアーキテクチャ

Farmnote Cloud Platform

データとアプリケーションの間にAIが関与することで、より高度な経営改善を実現。あなたの牧場に寄り添う新たな農業のインテリジェンス、Farmnote Cloud Platformの誕生です。

世界中には優れたAIシステムが登場してきています。しかし、こうしたツールは酪農経営者のニーズについてほとんど知りません。私たちは牧場を理解するAIをお届けするために、プラットフォームの中心にFarmnote Agricultural Intelligence = Farmnote AIを配置しました。

Farmnote Cloud Platformは、AIを中心に据え、その上でアプリが動く、全く新しい構造になりました。データとアプリケーションの間にAIが関与することで、使えば使うほどシステムが牧場の状況を学習し、賢くなる基盤を整えました。Herd ManagementやGene、Compassといったアプリケーションが統一ログインIDで、あたかも一つのアプリケーションを使っているように体験できます。「All on One Platform」。すべてのアプリケーションが、このFarmnote Cloud Platformの上で動き、AIがあなたの牧場を理解して、農業経営のすべてを支えるオペレーティングシステムに進化します。これは単なる管理ソフトからの大きな前進です。

現場体験が劇的に変わる:酪農従事者へのベネフィット

新プラットフォームでは、経営者の意思決定が翌日には現場スタッフのタスクとして自動的に変換され、「自律型牧場経営」を実現します。

  1. 手袋を外さずに音声で完結する作業:手袋をしたまま音声でデータ入力が可能。「Hey Siri, D112番に発情を登録して」と話すだけで記録されます。
  2. 経営者の意思決定が現場の動きに直結:経営者の判断が翌日には現場スタッフのタスクとして自動変換され、迷わず作業ができます。
  3. 日報や議事録が自動生成される:日報作成や議事録の自動生成・タスク予定化により、現場スタッフは作業に集中できます。

Farmnote Cloud Platform V3と主要製品

Farmnote Cloud Platform V3は酪農・畜産経営のDXを強力に推進する以下の主要製品で構成されています。

製品名提供開始予定概要特徴
Farmnote Herd Management2026年夏牛群管理アプリケーションの刷新(従来のFarmnote Cloudからバージョンアップ)モダンUIで見える化。Smart AlertでAIが自動的にアラートを抽出。多言語対応、権限管理。
Farmnote Today2026年夏AIによる自律駆動型タスク管理システムタスクの自動割り振り・実行管理。音声入力によるToDo管理、日報・議事録の自動作成。Smart Alertで通知をタスク化。
Farmnote AI Assistant2026年夏チャット形式のUIと高精度な音声認識で操作可能手袋をしたまま音声でデータ登録。牧場のデータを使って対話。使えば使うほど学習し、より的確なアドバイスを提供。
Farmnote Gene2025-26年冬繁殖ポートフォリオ経営を推進するプラットフォーム最も利益の出る繁殖計画を自動立案。3年後の収益性をシミュレーション。ベンチマーク機能で育種改良のポジションを確認。

Farmnote Herd Management

牛群管理に特化した新アプリケーション。モダンなユーザーインターフェースに刷新し、新しい「FarmBoard」で牛群や個体リストを常時表示。「App Switcher」機能により、ColorやGeneなど契約されているプロダクトをワンクリックで切り替え可能。通知機能は「Smart Alert」に進化し、Farmnote Colorからの発情検知や、AIからの提案、在庫減少などのアラートをAIが自動的に抽出します。

Farmnote Today

「人中心のタスク管理」を実現するAIによる自律駆動型タスク管理システム。タスクの割り振り、自動割り振り、実行管理を行います。シフトの設定とシフトのタスク連携も可能。音声入力によるToDo管理、日報の自動作成、議事録の自動作成を実現します。「Smart Alert」機能により、アラートをAIが自動的に抽出し、担当者にタスクとして提案。通知だけではなく、必ず作業につながる流れを作ることができます。

Farmnote AI Assistant

プラットフォームの中心であり、新たな私たちの友人、Farmnote AI。あなたの牧場を理解するAIです。チャット形式のUIと、高精度な音声認識を組み合わせて操作が可能。手袋をしたまま音声で「D112番に発情を登録して」と話すだけで、システムに記録されます。使えば使うほど、あなたの牧場の状況を学習し、より的確なアドバイスを提供できるようになります。将来的には、より専門的なアドバイスや、経営における事業計画の立案まで踏み込んでいきます。

Farmnote Gene

「繁殖ポートフォリオ経営」をより推進するためのプラットフォーム。皆さんの牧場で一番利益の出る繁殖計画を自動的に立案します。F1を生ませるのか、和牛を生ませるのか、ホルスタインを生ませるのか。最も利益の出る組み合わせを提案します。メイティング結果を登録することで、3年後の収益性をシミュレーション可能。新たに「ベンチマーク」も実装し、自分の育種改良のポジションと比較して見えない機会損失を金額で確認することができます。

※画面は全て開発中のものとなります。

プロフェッショナルサービスのローンチ:AI×人で成果を出す

AIの時代とはいえ、活用するにはノウハウが必要です。ファームノートは、このAIプロダクトだけでなく、実際にこれらを活用するための「プロフェッショナルサービス」の提供を開始します。オペレーションの改善、育種改良の加速、コスト削減、現場への定着化。それら個人の課題に合わせて、専任のソリューションコンサルタントが皆さんにご提案をする体制を整えました。SaaSだけでなく「人」もセットで提供することで、導入障壁を下げ、確実に成果を出すことを目指します。

Farmnote Cloud Platform V3が実現する酪農経営の未来

ファームノートは、これまでクラウド牛群管理システム「Farmnote Cloud」や牛の遺伝子検査「Farmnote Gene」などを通じ、酪農・畜産業の経営に貢献してまいりました。今回の発表で、ファームノートが提供するサービスの大半は新しい環境へ移行します。

ファームノートは、「自律型牧場経営」を推進する「Farmnote Cloud Platform V3」を通じて、原材料費の高騰や人手不足といった厳しい環境にある酪農・畜産業においての持続可能性を追求するべく最新技術を取り入れ、持続可能な経営モデルの確立を支援してまいります。

AIが牧場に溶け込み、誰がやっても同じレベルで経営できるような世界を目指します。今、私たちはAI時代に生きています。AIを取り入れるかどうかは、自分たちの経営がうまくいくかいかないかの決定的な差になりつつあります。

株式会社ファームノートについて

株式会社ファームノートは「生きる」を、つなぐ。をビジョンに掲げ、技術革新を通じて持続可能な地球の豊かさへの貢献を目指します。事業ビジョンとして「世界の農業の脳をつくる」を掲げ、技術革新を通じて再現可能な高い生産性を実現する「頭脳」をつくることを目指しています。

当社製品による有償契約頭数37万頭(日本の乳用牛の約10%)、牛向けウェアラブルデバイス「Farmnote Color」総出荷台数18万台、牛のゲノム情報を活用して繁殖戦略を立案する「Farmnote Gene」のゲノム検査頭数国内シェア50%到達など、酪農畜産における各分野で実績を積み重ねて参りました。

牧場事業を運営する子会社のファームノートデーリィプラットフォーム社においては、「所有と運営の分離」という新しい酪農モデルを確立し、運営受託牧場での生産量1.3倍、売上1.5倍、利益額の大幅改善を実現しています。

2019年、第5回「日本ベンチャー大賞」農林水産大臣賞(農業ベンチャー賞)受賞、2020年、第8回「ものづくり日本大賞」内閣総理大臣賞受賞、2023年、令和4年度「冬のDigi田(デジデン)甲子園」ベスト8受賞。

株式会社 ファームノート 会社概要

会社名:株式会社ファームノート
代表者:代表取締役 小林 晋也
所在地:北海道帯広市西8条南18丁目3-4
設立:2013年11月
資本金:9946万円
TEL:0155-67-6911
URL:https://farmnote.jp/
事業内容:酪農・畜産向けのDXソリューションの提供

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